全体に公開・
アルツハイマー病の原因はまだ完全には解明されていません。しかし、長い期間をかけて脳の中で生じる、複雑な一連の事象によって発症することが明らかになってきており、遺伝、環境および生活習慣などの複数の因子が絡み合って発症すると考えられています。一般的には、アルツハイマー病全体の9割に相当し高齢者に発症する「遅発性散発性」と、若年(65歳以前)に発症する「早期発症型」、特にその一部で遺伝要因が考えられてきた「家族性」のものがあります。 1月29日、英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのチームが、幼児期にヒト死体下垂体由来の成長ホルモン(cadaveric pituitary-derived growth hormone)を投与されたことのある若年性認知症の一部の患者にアルツハイマー病の特徴であるアミロイドベータ斑が脳内で観察されたことをNature Medicine誌に正式に報告しています。